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個品割賦の問題点

販売業者はそれにつけこんで、一度販売に成功すると、次から次へと商品や役務を勧めて契約していくのです。こういった契約にも個品割賦はよく利用されていました。消費者トラブルになつて発覚したときには、とうてい返済不能であろう非常識な金額になっていることも珍しくありませんでした。本来、消費者の信用を担保に契約するのがクレジットですから、返済不能な金額の与信はあり得ないはずです。正常に与信審査が機能していれば、加盟店を調査する必要すらないかもしれません。

ところが個品割賦の場合は、加盟店与信が堂々とまかり通る取引となっていたものですから、次々販売を行うような取引先を加盟店にしていたわけでした。従来の商慣行からすると相当厳しい内容といえます。次々販売は、法律用語では「過量販売」といいます。個品割賦はこの改正でクーリングオフができるようになりましたが、過量販売の場合は通常のクーリングオフの期間(八日)を超えて一年以内であれば申し込みを撤回できるようになりました。この規定に該当すると、すでに支払った分の返還が行われます。

つまり「既払い金」の返還です。法律改正以前に個品割賦がトラブル化すると、すでに支払った分の返還が争点になっていました。それを条文化したものといえます。ただし適用になるのはあくまでも法律不遡及の原則にしたがって、改正法施行後の契約に限られます。当時、貸金契約で利息制限法を超えた部分の過払い利息が、司法関係者の大きなビジネスになっていましたが、それに似ている部分もあるので「過払い」の次は「既払い」といった期待も一部にあったようです。繰り返しになりますが、これらの加盟店管理関連の規定は特商法関連の販売の際の個品割賦限定であって、クレジットカードには影響しません。

ただし改正法を検討した審議会では、店頭販売やクレジットカードでも同様の規制を行うべきとの意見がありましたから、今後も同じ状態が続く保証はありません。クレジットはこのような法環境の下に置かれ、世間の目は極めてシビアになつています。そういった情況があるので、クレジットカードの業界でも特商法関連取引であるエステティックについては、個品割賦とほぼ同様の対応をするようになっています。つまり、健全な経営をしているかどうかは問題ではなく、エステティックサロンとは契約しないというものです。