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倒産による消費者被害とクレジット会社の被害②

クレジット契約のリスクは、そのままクレジット会社のリスクでもありました。エステのような継続して提供される役務を提供する加盟店が倒産すると、事後処理の負担があまりに大きく、リスクが高かったのでした。エステサロンが発行するチケットは、前払いの金券のようなものです。商品券のような本物の金券の場合は、資金決済法によって前受金の半分を供託することになっているのですが、エステは対象になつていません。特商法の規定でも、前受金の保全措置がある場合は、その保全先を表示すれば済みます。ここにもタテ割りの法律規制の弊害があります。

エステのように自店が提供するサービスについてのみ利用できるチケットの場合は、自家発行型といって登録不要だからです。こういったリスクがあるのと、二〇〇八年に割賦販売法が改正されたことによって、エステサロンはクレジット会社から締め出されることになりました。それまでエステサロンでよく利用されていたのは個品割賦でした。チケットのまとめ売りは金額が大きくなるので、クレジットカードでは間に合わなかったことも理由の一つです。その個品割賦を扱っていた信販会社がエステサロンから一斉に手を引いた結果、クレジットカード会社までも手を引いてしまいました。

エステのトラブルがクレジットカードに及ぶことに危機感を持ったからです。その結果、きちんと経営してきた固定客を持った優良エステサロンまでクレジットで販売することができなくなりました。ショッピング枠現金化は消費者を対象とした信用収縮現象でしたが、エステは加盟店における信用収縮ということができると思います。ちなみにエステのトラブルは、度重なる特商法の改正と二〇〇八年の割賦販売法によって悪質な店が排除された結果、悪質な店は売り上げを上げることができずに大幅に減少しました。もちろんクレジット会社が手を引いたことも大きな原因です。